日本を離れた途端
常にカバンを押さえて
貴重品の確認をしてしまう
バルセロナにいた頃はいつもスリを気にしていた
助けを求める文字が
書かれた段ボール紙を持ちながら
近づいて来て話しかける女性スリ数人
近づかれた人が
読んでいる合い間に
ポケットからお財布を取る
カバンをひったくられそうになり
持って行かれないように
カバンの紐を離さず
綱引き状態になり
結局残ったのはカバンの紐だけ
2人組にリュックを引っ張られ
引っ張りまわされ
路地裏に連れて行かれる
そういう場面に何度か出くわした事がある
夏休みに日本から遊びに来てくれた義母と
買い物するため大通りを歩いていた
突然、目の前で
1人旅の日本人男性が女性スリ3人組に
大声で話しかけられ
たかられ
横や後ろから
リュックとウエストポーチを
引っ張りまわされ
逃げるにも逃げられない
もうどうにも出来ない状態
「おっかないおっかない」と
怖がっている義母の手を引っ張り
近くの店に入ろうとする
けれど
「おっかないおっかない」と言いながら
怖いもの見たさの義母は
なかなかその場を離れようとしない
むしろちょっとずつ近づいていく
バルセロナ ランブラス通り
スリ・ひったくりというより強盗だ
怖くて危なくて助けることなど出来ない
住んでいて慣れてくると
あー近づいてくるなとわかってくる
急に方向転換して遠ざかる
幸い危ない目にあった事は無かった
そんなところにいたので
貴重品は常に確認
ドイツに着いた途端
何回も貴重品の確認した
けれど、スリがいない
コロナで自粛だからか
比較的安全なところにいるからか
街中でも駅でも見かけない
危なくないみたいだ
油断してはいけないけれど
今のところ
スリがいない
心配ない
いつの間にか
カバンを押さえなくなっていた
つづく