事故で80分しか記憶が持てない数学者の博士と家政婦さんとその息子とのお話。
母子が誠実に生活し息子が良い子に育っていて、そして博士を大事に思う気持ちが素晴らしい。
3人でいる場面はほのぼのとして安心するけれど、時々のちょっとした事件に切なくなった。
驚いたのは野球の話がたくさん出て来たことだ。
野球は詳しくないので読んでいても「そうなんだ。」くらいだけれど、
野球には数字がつきものという事がわかった。
そして博士と義姉とのナントナク謎のような、でも分かるような関係。
最後までちょっと謎のままの感じが、何とも良かった。
数学の用語や数式がいろいろ出て来たけれど、その中でも「友愛数」「完全数」が気になる。
特に完全数。これからは気にして見ておこうと思った。
数学は難しく苦手だけれど、数学は美しいという事を読んでいて感じることが出来た。