辛い
読後5日くらい引きずっていた
3部構成の第1部、第2部はちょっと退屈で裕福だと仕事しないで生活出来るんだ。とか
核家族ってこの頃から始まっているんだ。なんて事を思ったけれど、第2部の終わりからすごかった。
後悔先に立たず
先生がKを連れて来なければこんな事にはならなかった。
先生はそれからずっと苦しむことになる。
主人公の私と出会わなければ苦しみながらもそのまま生活していたかもしれない。
明治天皇の崩御と乃木大将の殉死で病気だった主人公の私の父が弱っていく。
先生も殉死を意識する。
乃木大将の殉死って大事件だったんだ(昔たまたま通りかかった乃木邸を見学したことがある)
明治の精神や殉死というのが理解出来ない。
主人公の私に「理解出来ないだろうけれど」って手紙を書いているくらいだから、令和の今、読んでいる私はもっと理解出来ない。
そして自分に落ち度があるから、先生に嫌われていると思っている妻の静さん
わかりあえない夫婦って孤独で辛いかも。
妻は純白のままで、、、って言う先生の希望。
女性はそんなに弱くないと思うけど、、、
ただ先生はかっこつけていたいのか?
自分の黒い所を知られたくない先生はKの手紙を見てホッとしていたもんね。
妻の静さんの中で紳士でいたいからとにかく何も話さない。
死んでも話さない、自分の事が大事な先生。
でも、誰にも言えなかった事を話せた。手紙を書けた。
最後に人を信頼することが出来て良かったってことなのかな。
文豪の名作は難しかった。
けれど読んで良かった。