55歳
風邪もひかず元気だった母が、肝臓の病で55歳で亡くなった。
長生きすると思っていた母の病の知らせは、当時妊婦だった私を混乱させた。
当然のように産前産後の手伝いをしてもらうつもりだったし、母もそのつもりだったはず。
孫の顔を見ることは出来たけど、産後の身体で幼子3人を連れてお見舞いも思うように行けないままだった。
今と違って電話しかなかったので、よく手紙を書いては送り母はそれを楽しみにしていた。
結婚当時も転勤で関西在住の為、高い電話代節約で手紙を書いては送り、母からの返信は今も大切にしまってある。
数年前から55歳が近づくにつれて「母はあと○年しか生きられなかった」と意識するようになった。
私が体調不良になると家族はやたらと心配した。
55歳は私にとっても家族にとっても気になる年齢だった。
若い頃は父の「お酒とギャンブル」で苦労し、その後も楽ではなかった生活の中で母は楽しいことがあったのかな?
最期までお金の心配をしていたし、「もっと生きていたい」と言っていた母。
亡くなった日から、毎日母の写真に手を合わせている。
特に子育て中は祈りというより、願い事が多かった。
こんなにお願いされたら母はあの世で困っているだろう。と思うくらいお願いする事が多かった。
今年、母が亡くなった年齢に自分がなった。
元気で55歳になった。
今までは気になって55歳だったが、これからは母の分まで元気に楽しく生きていかなくては。
さらに最近は55歳と何か月生きたんだろう?と気になり始め、計算してみた。
55歳と半年だった。
まさに私が再び海外生活を始めようをする時。
これはもう母の分まで絶対に元気で楽しまなくてはならない。
未だに毎日朝晩手を合わせている。
だから、今までのようにこれからも上手くいくように、ずっと見守っていてくれるはず。
今では夫の両親の写真も増えて、皆に手を合わせている。
だから、両両親皆で見守っていてくれているはず。
自分の娘が二度も海外生活をするとは知らない両親。
自分の息子(夫)の2度目の海外勤務を知らない義両親。
しかしあの日から祈り続け、お願いし続けて十分わかってくれているはず。