住宅ローンに追われるパート主婦と教育ローンに追われる主人公の娘の2つの話が交差していく。
東京から1時間の郊外にある大型ニュータウンに住む50代のパート主婦が主人公。
バブル期に中古購入した4LDKの分譲団地は広大な敷地に公園や遊歩道、緑があふれ環境は良い。
5200万円に諸経費をいれると5700万円の物件は、その後バブルがはじけ20年経っても巨額のローンを抱え節約生活に必死。
今売っても1500万程度。
夫は管理職から平社員に格下げされ収入激減。
パート(時給900円)で忙しいのに高齢化していく分譲団地の理事会の当番が回ってきて、築30年になり建て替え問題に直面する。
娘は美大を卒業、入社直前に会社が倒産、27才の今もバイトしながら就活をし、500万の奨学金返済に追われている。
そこへ資産家の彼氏を幼馴染に紹介され、その後自分の彼氏になって奨学金も住宅ローンも返済してくれる!これで楽になる!と話しは進んでいくんだけど、、、
巨額のローン返済予定表をしょっちゅう見ながら、家計管理して節約生活してパートでヘトヘトになっている主人公の様子に読んでいて辛くなってくる。
我が家もバブル直後に家を購入し、毎月+年2回のボーナス払いがあったからわかる。
そして娘も巨額の奨学金をバイトで返すってもう苦しい。
ローン返済に追われていて楽しい生活が出来ない。
そして建て替えは住民の間で意見が分かれ、駅から遠いので採算が取れないとゼネコンから手を引かれ、価値のない不動産になっていく、、、
そして主人公の母が田舎から出てきて、都会が気にいってしまうのも参考になった。
年を取ると刺激のある便利な都会の方がいいのかも、、、
そこで思いついた! 田舎の戸建てと都会のマンションの2拠点生活の老後は楽しいかも!
お金があればね。
最後に主人公がニュータウン再生の為に市議に立候補するのはビックリだったし、
何より娘の彼氏になった資産家がどうしようもない。
お金持ちってだけではイマイチなんだなと思った。
主人公が娘に常々言っていた娘が嫌いな言葉「上等な男を見つけるのよ」ってお金持ちだけではダメだとわかった。
これが一番参考になったかも。