題名が嫌だったので読んだことがなかったけど日本文学の名作で夏目漱石の「こころ」と二大ベストセラーなので読んでみた。
あまりにお坊ちゃん過ぎて「あーどうしようもない、もーどうしようもない。」と思った前半までの感想。
繊細過ぎて他人からどう見られるか気になって仕方がない。
人を信用できない信じることが出来ない。
だからお道化る。
それを見抜かれる気づかれると怯えてしまう。
ちょっとでも見破れると傷つく。
それは子どもの頃からの性格だから仕方が無いと思った。
親からの小遣いが途絶えた後はいつもお金が無くて、行くところが無いのに女性に惚れられすぐに転がり込む。
それを繰り返す。
煙草、お酒、薬物を飲み過ぎてアルコール依存症、薬物依存症、生活は乱れ荒む。
繰り返す自殺未遂。
こんなに滅茶苦茶な生活ってあるかな?
読んでいくうちにかわいそうになってくる。
生活の荒み方の酷さに幼い頃に親に愛されないとこうなってしまうのか?
親の愛情が欲しかったんじゃないかと思う?。
そういう生育環境と生まれ持った繊細な性格。
そういう性格と思って読んでいたけれど「心の病」のように思えてきた。
不安と恐怖の一生だった主人公は最後廃人になって話は終わる。
読み終わって「辛かった」という感じはない。
けれど、この「人間失格」の連載が終わった後に本当に作者が自殺した。
その事がさらに「人間失格」を考えさせる。
自分を題材にしてここまで書けるって共感は全く出来ないけれど、なんだか深く心に刺さった本だった。